影山貴彦
著者のコラム一覧
影山貴彦同志社女子大教授

▽かげやま・たかひこ 同志社女子大学学芸学部メディア創造学科教授。1962年、岡山県生まれ。早大政経学部卒。86年に毎日放送入社、「MBSヤングタウン」ほかテレビとラジオの番組を手掛ける。ABCラジオ番組審議会委員長、GAORA番組審議会副委員長、日本笑い学会理事。著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」(実業之日本社)、「おっさん力」(PHP研究所)、「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。

漫才ライブで笑えない「お客さんが笑うタイミングと自分の笑いのツボが違っていて…」

公開日: 更新日:

 普段画面を通してお客さんの笑い声が聞こえてくるのは、まったく気にならないそうなのですが、実際近くの席に座っている見知らぬ人たちが楽しそうに笑っていると、自分もここで笑わなければ、と焦ってしまったそうなのです。「センセっ、私これからもお笑いライブ見に行きたいんですけど、劇場でもちゃんと笑えるようになりますか?」と真摯に聞く教え子に、「全然心配しなくて大丈夫っ!」と力を込めて答えました。コロナ禍で見知らぬ人と直接触れ合う機会がここ数年減っていることも、今回の理由のひとつかもしれません。経験を重ねることで“エンターテインメントを生で楽しむ喜び”を彼女が満喫してくれるようになると信じています。時代がどんなに変わっても、やっぱり生に勝るものはありませんから。

 そういえば“オンラインでのやりとりはとてもスムーズにできるけれど、生のやりとりは苦手”という人が社会に増えているという話を耳にしました。大学のオンライン講義の時は元気いっぱいに発言していた学生が、対面授業になると別人のように静かになる、というケースも時にあります。

 私と学生のやりとりを聞いていた別の学生が、また面白いことを言いました。「私は、自然発生的に普段の会話の中で笑うのは大好きなんですが、さあ笑え! みたいな感じで意図的に仕掛けられるのが、とても苦手です」と。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    阿部巨人が仕掛ける緊急トレード…有力候補はくすぶる「元本塁打王」「元最優秀中継ぎ投手」ら

    阿部巨人が仕掛ける緊急トレード…有力候補はくすぶる「元本塁打王」「元最優秀中継ぎ投手」ら

  2. 2
    86歳日枝久氏が居座り続けるフジテレビの未来…視聴率は低迷し営業利益は約30%減

    86歳日枝久氏が居座り続けるフジテレビの未来…視聴率は低迷し営業利益は約30%減

  3. 3
    立ち食いそば店の60代“深夜ワンオペ”は命がけ…敬遠されるのも無理はない

    立ち食いそば店の60代“深夜ワンオペ”は命がけ…敬遠されるのも無理はない

  4. 4
    後輩の挑発をスルーした松本人志、粗品のケンカを買って自爆した宮迫博之…露呈した“芸人の格”の違い

    後輩の挑発をスルーした松本人志、粗品のケンカを買って自爆した宮迫博之…露呈した“芸人の格”の違い

  5. 5
    維新ダサすぎ!都知事候補擁立を断念…女帝に陳腐な取引打診も“ガン無視”される

    維新ダサすぎ!都知事候補擁立を断念…女帝に陳腐な取引打診も“ガン無視”される

  1. 6
    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 7
    ロッテ佐々木朗希「省エネ投球」の謎解き…フルパワーのシーズンフル稼働は到底無理

    ロッテ佐々木朗希「省エネ投球」の謎解き…フルパワーのシーズンフル稼働は到底無理

  3. 8
    協会はテレビ各社にケンカを売るように「放映権をよこせ」と迫り過去最高益「5億円超」を叩き出した

    協会はテレビ各社にケンカを売るように「放映権をよこせ」と迫り過去最高益「5億円超」を叩き出した

  4. 9
    「燕は戻ってこない」桐野夏生著

    「燕は戻ってこない」桐野夏生著

  5. 10
    なぜ大谷の評価は「いまひとつ」なのか…現地メディアの根底に「安打じゃ満足できない」米国人気質

    なぜ大谷の評価は「いまひとつ」なのか…現地メディアの根底に「安打じゃ満足できない」米国人気質