著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

友近へのアドバイス「コントをする時に目の前にいると設定している見えない相手・第三者の情報を細かく決める」

公開日: 更新日:

友近の巻

 初見で“絶対売れると思った4人(ナイナイ岡村、キングコング西野・梶原、友近)”のひとりで、NSCの教え子の中で、彼女以降「絶対売れる!」と確信した生徒はいまだ現れていません。女芸人として、特に面白いコントをやっていたという記憶はありませんが、入学した時から声、表情、彼女自身の存在感がずばぬけていました。理解力があり、適応力もあったので、面白くなるのは時間の問題だと感じていました。彼女に伝えたアドバイスはただひとつ「コントをする時に目の前にいると設定している見えない相手・第三者の情報を細かく決める」ことだけでした。

 たとえば、占い師を演じるなら、見ている相手はどんな人なのか、性別はもちろん、年齢、容姿、仕事、家庭環境等々、考えうることを全て考えてボケに使える“アイテム”を増やすことで、いない相手、見えない共演者をお客さんに感じ取ってもらう、想像してもらう、そして「最後は実在していないのに、存在を見てもらえるように考えてみて」ということだけでした。

 生徒のことは先入観なく極力フラットに見たいので、経歴などは事前に耳に入れることなく、いつも相対してますが、卒業後に知った彼女の経歴は14歳の時に「全国ジュニア歌謡選抜準優勝」、大学時代には愛媛県代表で「長崎歌謡祭」に出演、地元では人気リポーターとしてレギュラー番組を持ち、後援会まであったことを知り、「やっぱりな……」という思いでした。27歳という遅いNSC入学は、吉本に入るための手段だったんだなと思いました。それは他の生徒たちと意識が違って当たり前だと改めて感じたものです。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  3. 3

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  4. 4

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  5. 5

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  1. 6

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波