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吉川圭三映像プロデューサー

1957年、東京都生まれ。82年日本テレビ入局。「世界まる見え!テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」などを手掛ける。現在、ドワンゴのエグゼクティブプロデューサー、早稲田大学表現工学科講師を務める。著書に「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館)、「全力でアナウンサーしています。」(文藝春秋)がある。

地方の女子アナ事情は意外と知られていない 取材から撮影、編集まですべてセルフ

公開日: 更新日:

 私が執筆のために元・女子アナに取材していた時である。元キー局の女子アナで、結婚を機にフリーになった女性から興味深い話を聞いた。

「アナウンサーには横のつながりがあります。テレ東・テレ朝・フジ。TBS・日テレなど系列ごとですが、東京のキー局・大都市の基幹局(札幌・名古屋・大阪・福岡)ほか、ネット局(青森・仙台から長野・広島・大分・鹿児島)まで全国津々浦々。年に1.2回のアナウンサー研修などで知り合いになっていろいろ話を聞きますが、結構大変なんです」

 僕には地方ネット局の女性アナウンサーの状況など知る由もなかった。

「彼女は高校時代から憧れていたアナウンサーになるため、アナウンス学校に通い、万全の準備をして、キー局も基幹局もネット局も受験しました。でもキー局は全滅で、やっと九州のテレビ局に合格したんです。彼女は横浜生まれで東京の有名私立大学卒。県どころか九州にも縁がなかったけれど、女子アナになれたことで夢はかないました。ところが情報番組のために事前取材はたった1人。カメラマンも音声もディレクターもADも同行せず、早朝から会社の車を運転し、自ら取材に行きます。三脚を立て、カメラを設置し、取材対象を撮影し、複数の村人や関係者にマイクを持ってインタビューをする。雑景もしっかり撮って、局に戻り、音楽入れなど編集作業し、その日の夜に放送するんです。ネット局ではあるあるだそうです。こんな状態が月曜日から金曜日まで続き土日も取材やスタジオ出演に駆り出され、局の幹部も修業と称しながら彼女たちのハードワークを容認していました。仕事は充実していたのですが、彼女は入社6年目のある日、首に原因不明の激痛が走り、私に相談に来ましたが、もう退社を決めていて……。今、横浜の実家に戻り、行政書士の事務所で働いています」

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