著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

小芝風花「事件は、その周りで起きている」コメディエンヌのセンスに驚く

公開日: 更新日:

 8月1日から4夜連続で、スペシャルコメディーと銘打った「事件は、その周りで起きている」(NHK)が放送された。夜10時45分から11時までの15分間という時間設定が微妙で、前宣伝もあまりなく、気づかなかった人も多いはずだ。

 主人公は地方の小さな警察署に勤務する、若手刑事の真野(小芝風花)。何でも自力で達成したがる性格だ。バディーを組んでいるのは効率優先の宇田川(笠松将)。上司の谷崎(北村有起哉)は年上の部下にからきし弱い。

 さらに元科捜研のエースだという向田(倉科カナ)もいる。これだけの面々がそろいながら、彼らは事件を解決するわけではない。いわば、事件を解決しない刑事たちのドタバタな日常を描くコメディードラマなのだ。

 たとえば真野が書いた聞き取りメモの字が乱雑で、本人も読めない。向田はPCを駆使して解析し、ゴーグルを装着して読み解こうとする。バーチャル空間で文字を追いながら床を這いまわる向田を、呆然と眺めている真野と宇田川の表情が、すこぶるおかしい。

 何より小芝が見せるコメディエンヌのセンスに驚く。細かいセリフに込めたニュアンス。かすかな目の動きだけで笑わせる表現力。そして絶妙の間。

 下北沢あたりの小さな劇場で、自主公演の舞台を見ているような楽しさがあった。制作したのはコント番組「LIFE!」のチーム。ぜひまた新作を!

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    女性を巡る愛憎より友情が勝った永遠のバディー

  2. 2

    萩本欽一〈27〉坂上二郎さんは一番特別な人。あのボケは誰にもできないよ

  3. 3

    かつての「打率4割男」は期待外れで戦力外…西武・林安可は母国・台湾野手の低評価を覆せるか

  4. 4

    佐々木朗希と山本由伸は“抱き合わせ”だったのか…ドジャース入りの裏で「謎の日本人」が暗躍

  5. 5

    48年ぶり映画出演の由美かおるさんが語る 人生が変わった瞬間「11PM」「水戸黄門」エピソード

  1. 6

    佐々木麟太郎に「個別育成プログラム」…マーリンズ入りには低予算球団ならではの“うまみ”あり

  2. 7

    佐藤二朗の地上波ドラマはしばらく厳しいが…橋本愛の事態はもっと深刻

  3. 8

    佐藤二朗vs橋本愛ハラスメント騒動は「文春嫌い」「フジテレビ嫌い」「共産党嫌い」が絡み合うカオスに

  4. 9

    (3)「森保監督は『指揮官に必要な冷徹さ』を確固たる信念として持っています」

  5. 10

    小栗旬がハリウッド“資本”映画で主演も… トラウマ級の英語力と「スター」への高い壁