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増淵敏之法政大学大学院政策創造研究科教授

1957年、札幌市生まれ。法政大学大学院政策創造研究科教授。専門は文化地理学。東芝EMIやソニー・ミュージックエンタテインメントなどでコンテンツ制作に携わった経歴を持ち、現在はコンテンツツーリズム学会会長や文化経済学会日本特別理事などの公職も務める、コンテンツ戦略の第一人者。「ローカルコンテンツと地域再生」(水曜社)、「『湘南』の誕生」(リットーミュージック)、「おにぎりと日本人」(洋泉社)など著書多数。最新刊に「韓国コンテンツはなぜ世界を席巻するのか」(徳間書店)がある。

(4)「椿の花咲く頃」のロケ地・クリョンポにはかつて“日本人街”が存在した

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 クリョンポは20世紀初頭に香川や岡山などの瀬戸内海の漁師たちが移住してきて開かれたという。彼らは神社を建て、小学校や旅館、商店、食堂までも建て、日本人街が生まれた。現在、日本人は住んでいないが、ポハン市が09年に修復し「九龍浦近代文化歴史通り」として観光地化した。

 キーショットになっている2人が海の見える石段に並んで腰かけているのは、「九龍浦近代文化歴史通り」の入り口の石段を上がったところで、多くのロケ地巡りの観光客が写真を撮るところでもある。

 また階段を上がって左に曲がると、トンベクの家への道が続いている。この道沿いには壁画やオブジェなどのアートが散見できる。この道はトンベクと、トンベクの母、息子のピルグが家から学校まで歩いていくシーンにも出てくる。トンベクの店「カメリア」は、外観は「文化マシル」という文化芸術の展示場を使用。しかし、店内はセットで撮影されたとのことだ。トンべクが気になるカン・ハヌル演じる警察官、ヨンシクが店の前でうろうろするシーンが印象的だ。

 放送から4年、23年に筆者が訪れた際もロケ地巡りの観光客は多かった。ポイントになるロケ地には案内板もあって、QRコードから解説などを読み取ることができる。

 まだコロナ禍だったのだが、韓国国内ではドラマのロケ地巡りは定着しているように見えた。 =つづく

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