映画「キャロル・オブ・ザ・ベル」の監督に聞く 戦禍のウクライナで製作、公開を続ける理由
オレシャ・モルグネツ=イサイェンコさん(映画監督)
                         ミサイルの轟音と爆発音、そして悲鳴。ロシアの猛攻撃で、市民や子どもたちが逃げ惑う姿が連日中継されている。そんなウクライナの首都キーウに残り、同地出身の映画監督オレシャ・モルグネツ=イサイェンコさん(38)は新作「キャロル・オブ・ザ・ベル」を完成させた。
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 ──死と隣り合わせなのでは。
「そうですね。ここ2~3週間は攻撃が激しさを増し、弾道ミサイルで隣の建物が破壊されて、窓ガラスが飛んできます。夜中や早朝も狙われ、本当にロシアが、私たちウクライナの民間人を脅かそうとしているのが分かります。正直、気分がとても落ち込んでいます。5歳の長女が、大きな音が響くと、とても怖がるんです。今の暮らしは精神的にとても厳しく、トラウマになるかもしれません」
 ──それでも離れないのはなぜですか?
「キーウで生まれ育ったから、というのがまずあります。ここは自分の国で、家族と暮らしてきた家、そして、すべき仕事がある。この土地に暮らすことは、それだけで私たちの力の源なのです。それに、ここに居続けることでロシア、さらにロシアの世界観に対する『ワクチン』になると思うんです」                    

 
                             
                                        

















 
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
         
         
         
         
         
         
         
         
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                