当時の最新録音技術で60年代風ローファイ・サウンド…凝ってるし、倒錯してるわぁ
シングル「おまえがパラダイス」(1980年12月23日発売)①
早いもので、TOKIOが空を飛び、聖子ちゃんとトシちゃんがデビュー、B&Bやツービートが早口でまくし立てた1980年も、もう年末だ。
そして、沢田研二が紅白歌合戦で「TOKIO」を歌う8日前。12月23日にアルバム「G.S.I LOVE YOU」と同時に発売されたシングルが、この「おまえがパラダイス」だ。
ぜひサブスクで聴いていただきたい。初めて聴く方、特に若い方は驚くのではないか。「何てひどい音なんだ!」と。
耳障りなモコモコな音。全体的に歪んでいる感じがする。イヤホンで聴いたら、普通は真ん中で響くはずのドラムスが左側に寄っている。それどころか楽器は、右と左にきれいに分かれていて、沢田研二のボーカルだけが真ん中に定位している。それより何より、とにかくチープなのだ、響きが。
本連載では、これまで「ニューウェーブ」という言葉を多用してきた。それこそが沢田研二が背負った80年代の新しい価値観だと説明してきた。対して、この「オールド」な響きは何なんだ、と当時を知らない方は疑問に思うだろう。


















