この曲の物語は佐野元春から始まる…そしてスタッフの慧眼をつくづく思い知らされる
というか、大滝詠一ですら「A LONG VACATION」(81年)以前で、まだ無名のタイミングである(山下達郎は「RIDE ON TIME」でブレークしかけ)。沢田研二のスタッフの人を見る目の確かさをつくづく思い知らされるところだ。
さて、「伊藤銀次自伝MY LIFE,POP LIFE」(シンコーミュージック・エンタテイメント)という本にある、木崎賢治と加瀬邦彦との最初の打ち合わせで告げられた言葉が、「おまえがパラダイス」の斬新かつ、変てこなサウンドの狙いをすべて言い当てている。ご紹介したい──。
「70年代後半になってきて最近また60年代のイズムを持ったパンクとかニュー・ウェイヴが出てきてる。沢田研二はGS出身だから、もう一度彼が原点に戻った、スピリットがある、そういうアルバムを作りたいんだ。それで銀次さんにお願いしたい」
対して伊藤銀次は──「そのとき僕に依頼が来たことが腑に落ちて。もう武者震いがするぐらいの感じで、『わかりました!』と返事をさせてもらいました」とのこと。人生には、こういう瞬間が何度かある。
こんな流れで、伊藤銀次が招集され、前回お伝えした、あのモコモコ・サウンドが生み出されたのだった。




















