歌手・伊藤咲子さん 一度落ちた「スタ誕」で朱里エイコさんの歌い方をマネたら370点の高得点

公開日: 更新日:

伊藤咲子さん(歌手/66歳)

 一世を風靡したオーディション番組「スター誕生!」から「ひまわり娘」でデビューし、今年、歌手生活50周年を迎えた伊藤咲子さん。人生を変えた一曲は、1973年にヒットした朱里エイコの「見捨てられた子のように」。デビューと復帰の2度のご縁という。

 デビューの1年前、私は「スター誕生!」を毎週見ていて、朱里エイコさんがかなりの頻度でゲスト出演されていたんです。ある日歌われた新曲が「見捨てられた子のように」。パンチのある歌唱力はもちろんのことミニスカートから伸びる脚もスラッとしていて「カッコいい!」と強く印象に残りました。

 翌年、「スター誕生!」のオーディションで「漁火恋唄」(小柳ルミ子)を歌って通過した私はテレビ予選に出演しましたが、最初は落ちたんです。

 その時に番組の名物プロデューサーの池田文雄さん、通称池文(イケブン)さんから「ハガキ応募はしなくていいからもう一回来ないか」と声をかけていただき、オーディションを受けずにテレビ予選に再挑戦しました。

 前回は審査員の松田トシ先生(歌手・声楽家)から「あなた、息が漏れてるわ」と言われてしまい、選曲をどうするか悩んだ末、ひらめいたのがこの一曲、「見捨てられた子のように」でした。

■15歳には難しい曲だったけど、なぜかひらめいて

 250点以上とれば合格ですが、前回は101点。それが再挑戦ではなんと370点を獲得して見事合格。決勝大会に進めました。決勝でも「見捨てられた──」を歌い、客席にいるレコード会社、プロダクションのスカウトの方たちの11社ほどのプラカードが上がり、デビューが決まったんです。

 だから、15歳で歌手になれたのは朱里さんのこの曲のおかげ。「見捨てられた──」は15歳の私が歌うには歌詞が大人っぽくて、当時の私には意味なんかわからなかったけど(笑)。エレキギターやホーンセクションから入り、歌のメロディーもモダンな雰囲気もカッコよかったから、朱里さんの歌い方をマネただけ。地声を張り上げられるこの歌は合っていたんでしょうね。

 朱里エイコさんといえば前年のヒット曲「北国行きで」の方が世の中に浸透していて「見捨てられた──」は少し時代が早かったかもしれませんが、私は絶対にこの一曲がオススメです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった