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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

テレビ局と芸能界の“ウィンウィン”の関係をいち早く構築したのがフジテレビだった

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 中居正広の起こした女性とのトラブル。事件の発端となったフジテレビ港浩一社長の会見は火に油を注ぐことになり、批判の嵐にさらされている。視聴率でも低迷が続くフジに追い打ちをかけるような会社の危機。改めてフジの歴史を検証する──。

 全盛期のフジは他局を圧倒する人気番組があった。ドラマでは“月9”に代表されるトレンディーブームをつくり、歌番組の「夜のヒットスタジオ」は世代を超え多くの人に支持された。「プロ野球ニュース」は野球中継を見逃したサラリーマンに好評だった。なかでもフジの好調を支えたのが数々のバラエティーだった。漫才ブームを牽引した「オレたちひょうきん族」。タモリが司会を務めた「笑っていいとも!」。港社長がプロデューサー時代に手掛けた「とんねるずのみなさんのおかげです」。後のAKB48ら女性アイドルグループブームのきっかけになったおニャン子クラブもフジから生まれた。中居正広のいたSMAPの「スマスマ」もフジの制作。型破りな番組づくりの一面もあったが、手掛けた番組で人気タレントも生まれた。

 テレビ局と芸能界のウィンウィンの関係をいち早く構築したのがフジだった。中居のトラブルの原因になったといわれる接待。一般社会でもあるように、接待は円滑な関係を保つには欠かせない手段だ。新人を売り込む際は芸能プロ側がプロデューサーらを接待。時には女性タレントを同席させることもあった。逆に人気タレントになると立場は逆転する。テレビ局がタレントを接待する。接待は次第に常態化していく。中居は典型的なケースだったと想像がつく。

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