著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

自分じゃない人間になれば…「くっだらねぇなぁ」が竹中直人にとって最高の言葉

公開日: 更新日:

 在学中は「ぎんざNOW!」(TBS系)や「TVジョッキー」(日本テレビ系)などの素人参加コーナーに出場し、名を馳せた。大学卒業後、青年座の研究員になるが、その研究費30万円も「3分間で人を笑わせたら賞金30万円」という素人参加型の企画で賄った。

 だが、俳優としてはなかなか芽が出ない。そんな竹中のモノマネ芸が人力舎の玉川善治社長(当時)の目に留まり、「ザ・テレビ演芸」(テレビ朝日系)でプロデビュー。司会の横山やすしから絶賛され、コメディアンとして道が開けていった。けれど、元来シャイな性格。バラエティー番組に素のままで出るのは苦手だった。

「だから、一時期はあるキャラクターつくってないと(出られなかった)。カツラかぶったりすればね。いろんなキャラクターになれて、自分じゃないと思えるから。なんだってできたりするんですよ」(朝日放送「相席食堂」19年9月17日)

 そう、自分じゃない人間になれば、どんなくだらないことでもできる。冒頭の番組でもシリアスばかり評価されがちな現状にあらがい、「ずっとくだらないことをやっていきたい」と言って、「顔は冷静だけど酔っぱらっている人」や「一瞬で老人になる人」をやって笑わせていた。

「くっだらねぇなぁっていうのが、それが僕にとってはすごくステキな響きですね」(NHK Eテレ「ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅱ」15年10月16日)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった