永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない
「異様に映る」とGACKTがほえた
ところで、こうした不倫報道には必ず外野席から批判が出る。今回もGACKTというタレントが「誰も幸せにならないネタを鬼の首でも取ったかのように勝ち誇って載せる記者や出版社の姿はボクには異様に映る」とほえたそうだ。
この記事のどこをどう読めば、文春が勝ち誇っていると読めるのだろう? たしかに他人の閨(ねや)をのぞくような行儀の悪い記事ではある。だが、“首輪のない猟犬”といわれる週刊誌記者は、政治家であろうと芸能人であろうと目の前にスキャンダルがあれば、真偽を確かめるためには骨身を惜しまない。それが彼らの「業」なのだ。
立花隆によれば、優れた調査報道をするライターを外国では「マックレイカー(コヤシをかき回す熊手)」というそうだ。「マックレイカーがいなくなったら、この世はコヤシのような人々が跳梁跋扈する世の中になってしまう」(「『言論の自由』vs『●●●』」文藝春秋刊)と立花は言った。
そこにスキャンダルがあれば、裏金問題であれ、不倫であれ、飛びかかる。そこで、倫理観に縛られて「プライバシーの保護」を選んでしまうようでは、週刊誌で仕事をする意味はない。
大新聞はジャニー喜多川の性加害問題を知っていながら、「芸能ものなんか」と追及しなかったではないか。スキャンダルに上品も下品もない。今回の記事は、文春にしては珍しく優しい書き方だとは思わないかね、GACKTさん? (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)