元日向坂46齊藤京子の圧倒的なイマドキ感は「個性的×心地よさ」から導き出される
昭和歌謡が好きで、高校生のころから中森明菜のファンだったという斉藤京子は、歌番組で中森明菜のヒット曲「十戎」をカバーしたこともある。中森明菜も斉藤京子も低音ボイスなので、通じるものがあるのかもしれない。斉藤京子の落ち着いた雰囲気を中森明菜の楽曲にたとえると、林哲司作曲の「北ウイング」か。
趣味は昭和歌謡だが、彼女自身の魅力はレトロな感じではない。
現在の所属事務所である東宝芸能の先輩にあたる上白石姉妹でいうと、姉の萌音はクラシカルで牧歌的な役を得意とするのに対して、妹の萌歌はイマドキ感がある元気な役を演じる機会が多い。
斉藤京子もまた、存在感の中に新しさを秘めていて、書店の平台に並べられた最新刊の表紙のような新鮮さがある。だから、時代とリンクしたようなテーマ性を帯びたタイプの役柄が似合う。
彼女が持つ「イマドキ感」は、ギャルのような尖った先端性ではなく、東京育ちということもあり、感性や感覚がアップデートされていて、「斉藤京子」という人間のOSが最新状態にある、という意味でのイマドキだ。
その「今っぽさ」が、親しみやすさにもつながって、同世代の共感を呼んでいる気がする。
彼女の演技を見ていると、2025年を感じる。リアルな「今」の肌触りだ。