田原俊彦よ、「※ただしイケメンに限る」はもう通用しない。世のオジサンは彼の“勘違い”から学ぶべし
「“真ん中の脚”はもっと上がる」発言
【「残念プロフェッショナル」の流儀】
6月15日放送の『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)にて、ゲスト出演した田原俊彦が、女性アナウンサーにセクハラをしたとして、問題視されていました。
田原は番組内で、女性アナの手に触れたり、「“真ん中の脚”はもっと上がるんだけどね」「いまもギンギンです」と性的なニュアンスを込めた卑猥な発言をしたりしていたのですが、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地さんはどういった見解なのでしょうか。
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田原俊彦(歌手、64歳)
昔だとしてもセクハラはセクハラ
田原俊彦様――今回は敬意を表して「トシちゃん」と呼ばせていただきます。
今回の女性アナウンサーに対してのセクハラ言動はたしかにアウト。
しかし、トシちゃんは炎上することは承知のうえで、自らが犠牲になってでも、反面教師として世のオジサンたちへ警鐘を鳴らしたに違いありません……!
しかもトシちゃんの啓蒙活動は、ただの普通のオジサンたちに向けられたものではなく、「昔イケてたオジサン」(昔モテていたオジサン、昔かっこよかったオジサン)に向けてのものだったのです。
どういうことか、説明していきましょう。
まずトシちゃんのセクハラは、令和の時代のコンプライアンス意識の高まりや、ハラスメントへの認識のアップデートがあり、それゆえにアウトになった――わけではありません!
一般論で考えると今回の言動は、平成だろうがセクハラはセクハラで、昔だったとしてもアウトです。
「※ただしイケメンに限る」が許されていた時代
ただ、本題はここから。
「※ただしイケメンに限る」という言葉を思い出してください。
普通に考えればアウトなセクハラもイケメンが行った場合のみ、“倫理法則”を無視して力業(モテ男パワー)でセーフになっていたケースが、一昔前までは多々あったのです!!
セクハラは今も昔もアウト。けれどイケメンに限ってはアウト行動が不問にされていた時代が、確かにありました。
かつての「モテ男パワー」が通用しなくなった
誤解を恐れず言うならば、普通のオジサンからされるとセクハラだと思うような言動も、イケメンアイドルにされれば訴えるどころか喜ぶ女性は一定数いたはず。
わかりやすく例を挙げておきますが、ベタベタ触る過剰なボディタッチや「今晩どう?」なんてベッドインの誘いは、普通のオジサンにやられた場合はセクハラ認定するのに、イケメンアイドルにされた場合は歓喜していたという女性は、少なからずいたでしょう。
もちろんすべての女性に該当するわけではなく、一定数の割合の女性に限った話ではりますが、イケメンにだけは通常の“倫理法則”を当てはめないというケースはよくあったのです。
さて、ビッグで大スターだった全盛期のトシちゃんは、イケメンの頂点に君臨するような存在でした。ですからアウトなセクハラ言動も無効化できていたのです。
しかし時の流れは残酷。スーパーイケメンだったトシちゃんももう64歳。オジサンを通り越して初老です。
ご本人は今でもイケイケのモテモテだと思っているのでしょうが、モテ男パワーは激減しまくっていて、もうほとんど残量ゼロ。“倫理法則”を無視してアウトをセーフに変えられるなんて、いまのトシちゃんにできるわけがなかったのです。
「昔イケてたオジサン」の勘違いを正すプロ
あれほどモテモテで天下を獲っていたトシちゃんでさえも、加齢によってモテパワーが激減しているのに気づかずに同じスタンスでいると、地獄に堕ちる。ならばいまでもイケてるとかいまでもモテるとか思い込んでいる「昔イケてたオジサン」は、もっとヤバい。
そう、トシちゃんは自らを犠牲にして“「昔イケてたオジサン」の勘違いを正して危機意識を高めるプロフェッショナル”に徹してくれたというわけです!
昔からのノリを忘れらずに「普通ならアウトだけど俺ならセーフ」と思っている世の「昔イケてたオジサン」のみなさん、それ普通にめっちゃアウトになりますよ? どうかトシちゃんの犠牲を無駄にせず、感覚をアップデートさせてください。
(堺屋大地/コラムニスト・ライター・カウンセラー)