子どもの「レジリエンス」と「読書」の関連…日本の研究報告
子どもの貧困は、世界的な社会問題のひとつであり、日本を含む先進諸国においても、7人に1人の子どもが貧困状態にあると推計されています。
貧困という逆境を乗り越えるための重要な要素として、「レジリエンス」と呼ばれる概念が注目されています。レジリエンスとは、困難やストレスに直面した際、柔軟に乗り越えて、状況に適応できる回復力のことです。
読書は、子どものレジリエンスを育む実践的なアプローチとして知られています。そのような中、読書量とレジリエンスの関連性を調査した研究論文が、日本疫学会誌の電子版に2025年6月21日付で掲載されました。 日本で行われたこの研究では、東京都足立区の小学校に通う小学4年生3136人と、その保護者が対象となりました。読書量は、「月に何冊の本を読みますか(漫画、雑誌を除く)」という質問に対して保護者が回答し、「本を読まない」「週に1冊未満」「週に1~3冊」「週に4冊以上」の4つのグループに分類されました。レジリエンスは、「子どものレジリエンスとコーピング尺度」と呼ばれるスコアにより、0~100点(高得点ほどレジリエンスが高い)で評価されました。