前田敦子の「アイドル否定発言」に物議。卒業後に佐藤健と撮られても、現役時は“偶像”を演じきったプロなのに
「『アイドルになりたい』と思ったことない」
【「残念プロフェッショナル」の流儀】
先月、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に出演した元AKB48の前田敦子。番組内で「『アイドルになりたい』と思ったことないですよ、私」と断言し、「なんか間違えちゃった。私は騙されたと思ってます」と冗談半分に語り、笑いを誘っていました。
そんな前田敦子について、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地さんはどういった見解なのでしょうか。
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前田 敦子(俳優、33歳)
AKB総選挙1位の絶対的エース
2005年に誕生したAKB48は今年20周年。そして前田敦子様と言えば、AKB48が社会現象を巻き起こしていた全盛期の絶対的エースでした。
第1回・AKB48選抜総選挙(2009年)で1位を獲得。グループ内の人気上位7名を指す「神7(カミセブン)」の筆頭として、2012年に卒業するまで国民的アイドルグループの人気を引っ張っていた敦子様。それゆえに「『アイドルになりたい』と思ったことない」発言は物議を醸すことになったのです。
AKB48ファンのなかには、グループ活動に全力を注いでいなかったのかとか、グループを踏み台にしたのかとか、そんなふうに感じてしまって悲しみや怒りの念が沸き起こった人がいるのでしょう。
ただ敦子様はもとから女優志望であったことはたびたび公言していましたし、グループ在籍時から俳優活動にも積極的。
AKB所属時代にドラマ『Q10』(2010年/日本テレビ系)のヒロインや、ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』(2011年/フジテレビ系)の主役を務め、卒業後も数々のドラマや映画に精力的に出演。現在放送中のドラマ『人事の人見』(フジテレビ系)でも2番手キャストとしてヒロインポジションを演じています。
「アイドル」の本来の意味とは?
さて、「『アイドルになりたい』と思ったことない」発言が批判を集めてしまったわけですが、そもそも「アイドル」とは本来どういった意味の言葉か、みなさんはご存知でしょうか。
辞書で引くと、まず「偶像」という意味があると出てきます。
くしくも敦子様を筆頭にした人気メンバーは「神7」と称されていましたが、あたかも神のように崇拝の対象になるのが「アイドル(=偶像)」というわけです。
AKB48時代の敦子様は、ただただ素直に「偶像」という本来の意味の「アイドル」を、まっとうしていただけなのではないでしょうか。
そもそもアイドルになる人は、“最初からアイドルを目指していて、アイドルになりたくてなるタイプ”と、“歌手や俳優といった夢があり、芸能界の入り口としてアイドルになるタイプ”に分かれます。
敦子様は後者のタイプのわけですが、それが悪いなんてことはなく、敦子様以外にも歌手や俳優として成功する前段階のステップとしてアイドルになったという人は、ごまんとるわけです。実際、アイドルグループ在籍中に歌手や俳優の夢を公言する人も少なくありません。
アイドルファンなら、“歌手や俳優といった夢があり、芸能界の入り口としてアイドルになるタイプ”もたくさんいることは当然知っているはず。
にもかかわらず、なぜ敦子様だけがこんなにも叩かれてしまうのか?
それは「アイドル・前田敦子」の「偶像」としての完成度が、飛び抜けて高かったからなのかもしれません。
「アイドル=偶像」と伝えるプロ
敦子様はAKB48在籍時には大きなスキャンダルは起こしませんでした。
その代わり、卒業直後だった2012年9月、ドラマ『Q10』の共演者だった佐藤健さんらとの飲み会で泥酔し、お尻丸出しで佐藤さんにお姫様抱っこされている痴態がスクープされています。
アイドル現役時は「偶像」としての役割をきちんとまっとうし、現役を退いた直後に「アイドルなんてしょせん偶像にすぎない」という現実をファンたちに突きつけていたのです。
そう、敦子様は「アイドル=偶像」の意味を、アイドルファンたちに正しく伝えるプロフェッショナルに違いありません。
(堺屋大地/コラムニスト・ライター・カウンセラー)