「プロジェクトX」司会の元NHKアナウンサー国井雅比古さんが明かす 視聴率20%人気番組の舞台裏

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 多くのサラリーマンに支持されたNHKの看板番組「プロジェクトX~挑戦者たち~」(2000~05年)。無名の企業戦士たちの苦闘ぶりに中島みゆきの曲が重なり、毎回感動させられたものだった。あの人気シリーズ番組の司会をつとめたのが国井雅比古アナだ。昨年4月から続編の「新プロジェクトX~挑戦者たち~」が18年ぶりに復活したが、今どんな思いなのか。(前後編2回の前編)

  ◇  ◇  ◇

「前の『プロジェクトX』が終わってからずいぶん経ちますが、以前から『なんでもっと続けないの?』なんていろんな人から言われていました。やはり『やって欲しい』という要望が結構あって、『新プロジェクトX』につながったんでしょうね」

 東京・新宿の喫茶店でお会いした国井さん、感慨深げにこう言った。

「前のシリーズは、誰もが知る国家プロジェクトをとりあげることが多く、ネタはもう限界でした。だから、今回は“失われた30年”の間の人と人とのつながり、心の触れ合いのようなものを描こうとしているんだなと思って見ています。苦労も多いでしょうが、丁寧に作っていると感じますね」

 今では多くの人に親しまれている「プロジェクトX」というタイトルだが、そもそもは仮のタイトルだったそうだ。

「ちょうど世紀が変わるんで、番組の大幅改定をすることになり、『プロジェクトX』は各部局から提案された、たくさんの企画のなかのひとつでした。今井彰プロデューサーが僕と久保純子アナウンサー(当時)を指名してくれて、年明けに今井さんやディレクターら6人で顔合わせをしました。『半年で終わったらまずい。何としても1年続けよう』と話し合ったのを覚えています」

 放映第2回が家庭用ビデオテープの「VHS対ベータ」戦争の舞台裏を追った「VHS 執念の逆転劇」。日本ビクターの“窓際族”の奮闘と感動のドラマは今も語り草となり、アンコール放映もされている。

 新手法のドキュメンタリー番組は中高年サラリーマンの間で注目され、放送開始から半年ほどすると人気が上昇。視聴率は20%を記録し、1年どころか、結局5年8カ月も続いた。

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