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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

タモリにとって音楽とは「わからない」感情そのものを楽しむもの

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 そして、高校のときに本格的にジャズと出合った。アート・ブレーキーの「モーニン」を聴いたのだ。「何がなんだかわかんない。こんなわけのわかんない音楽聞いたのははじめてで、とても癪にさわったんですね。俺にわからない音楽なんてないと思ってましたからね。それじゃあ根性入れて聞こう」(メディアファクトリー「これでいいのだ。赤塚不二夫対談集」00年1月14日発売)と夢中になり、ジャズを夜中にひとりで聴くようになった。誰かと共有するわけでもなかった。

「友達とじゃなくても、なんか他のすごいものと自分がつながってる感じがするんだよね。発酵していくみたいな」(ニッポン放送「タモリのオールナイトニッポン」23年2月18日)

 冒頭の番組でも「ひとりになるために音楽聴いてるような感覚だよね。だから演奏者に対して、この人は何を、何を言いたいんだ、何を感ずるのかと思って聴いてるような感じがする」と語っている。タモリが音楽を聴くのは、心地よく癒やされるためでも、自分を奮い立たせるためでもない。

「聴くこと自体が落ち込むことも含めて音楽だから。感情が豊かになるよね。だからハッピーになるだけではない音楽もある」(同前)

 そう、タモリにとって音楽は、何をどう感じるか、その「わからない」感情そのものを楽しむものなのだ。

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