タモリにとって音楽とは「わからない」感情そのものを楽しむもの
そして、高校のときに本格的にジャズと出合った。アート・ブレーキーの「モーニン」を聴いたのだ。「何がなんだかわかんない。こんなわけのわかんない音楽聞いたのははじめてで、とても癪にさわったんですね。俺にわからない音楽なんてないと思ってましたからね。それじゃあ根性入れて聞こう」(メディアファクトリー「これでいいのだ。赤塚不二夫対談集」00年1月14日発売)と夢中になり、ジャズを夜中にひとりで聴くようになった。誰かと共有するわけでもなかった。
「友達とじゃなくても、なんか他のすごいものと自分がつながってる感じがするんだよね。発酵していくみたいな」(ニッポン放送「タモリのオールナイトニッポン」23年2月18日)
冒頭の番組でも「ひとりになるために音楽聴いてるような感覚だよね。だから演奏者に対して、この人は何を、何を言いたいんだ、何を感ずるのかと思って聴いてるような感じがする」と語っている。タモリが音楽を聴くのは、心地よく癒やされるためでも、自分を奮い立たせるためでもない。
「聴くこと自体が落ち込むことも含めて音楽だから。感情が豊かになるよね。だからハッピーになるだけではない音楽もある」(同前)
そう、タモリにとって音楽は、何をどう感じるか、その「わからない」感情そのものを楽しむものなのだ。




















