飯島愛没後18年「彼女は常に、主流じゃない人の代弁者だった」

公開日: 更新日:

 バブル崩壊からウィンドウズ95の発売まで、今につながる変化が起きていた1990年代。どこか投げやりな気分が蔓延していた世紀末ニッポンに飯島愛は突如として現れた。没後18年。「飯島愛と90年代という時代は驚くほどリンクしている」と話すのは、「飯島愛のいた時代」(太田出版)を上梓したアダルトメディア研究家の安田理央氏だ。

  ◇  ◇  ◇

 飯島愛が登場したのは1992年。最初はAV女優としてデビューした、と思われているが、実はAVが発売されるよりも先にテレビ番組「ギルガメッシュないと」に出演している。AVの撮影自体は、放映よりも前だったが、発売が前後したために、当時は「ギルガメに出ているあの子がAVに!」という驚きをもって受け止められ、いわば、芸能人AV的な売り出し方となっていた。

 もともとはAVのプロモーションのつもりでの出演だったようだが、評判がよかったため、プロダクションも本人もタレント的な活動を中心に考えるようになっていく。

 当時のAV業界では飯島愛の評判は決してよいものではなかった。現場に遅刻してくるのに撮影は早く終わらせないと機嫌が悪くなる。面倒くさい演技などは嫌がる。あからさまにAVをバカにした態度だったという。

 それをプロダクションも黙認していた。テレビの仕事は時間厳守だが、AVはわがままにやってかまわない、と。

 しかし、彼女のそんな態度を受け入れなければならないほどに、飯島愛のAVは売れていた。92年のAV売り上げランキングでは彼女の出演作は上位を独占し、圧倒的な人気を見せつけたが、AV雑誌の92年の「年間女優ランキング」には飯島愛の名前はなかった。

 彼女の人気が爆発した頃から、エロ本では飯島愛を扱うことは禁じられた。週刊誌などでも、AV出演は伏せ、セクシーなタレントであると書かないと、プロダクションから抗議が入ったという。

 AV女優撮影会のイベントを取材した週刊誌が、出演していた飯島愛のヌードを掲載しようとしたら、事務所から100万円を要求されて断念したという「事件」もあった。

 筆者は90年代初頭からAV業界に関わっていたため、彼女のそんな「悪評」は漏れ聞いていた。そのため印象は悪く、基本的には無視を決め込んでいた。それは彼女がタレントとして成功し、突如引退し、そして急死した時も変わらなかった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    NHK3年連続赤字で番組制作費82億円カット…タモリもダーウィンも華大も豊臣もピンチ!

  4. 4

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  5. 5

    日テレが「news LOG」和久田麻由子を全面バックアップできない切実事情…佐藤栞里や有働由美子との決定差

  1. 6

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  2. 7

    椎名林檎と成田悠輔氏の親密デート発覚!「異色の超ビッグカップル」誕生も「いわくつき」と見られるワケ

  3. 8

    【5.独走態勢】「ミッドナイトフライト」「夜間飛行」が候補だったが、明菜が「北ウイング」を提案した

  4. 9

    「夫婦別姓刑事」とフジテレビの時代錯誤…“看板に偽りあり”のタイトルと「超・年の差婚」設定への嫌悪感

  5. 10

    元ボクシング世界王者・薬師寺保栄が妻に無断でレースQの愛人を「養女」に…妻が明かした苦しい胸中

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  2. 2

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  3. 3

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  4. 4

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 5

    “キムタク効果”見込んだ吉野家の戦略は残念な結果に…ファンの間に沸き起こる「藤田ニコル復帰待望論」

  1. 6

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  2. 7

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  3. 8

    「夫婦別姓刑事」とフジテレビの時代錯誤…“看板に偽りあり”のタイトルと「超・年の差婚」設定への嫌悪感

  4. 9

    萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

  5. 10

    維新また猿芝居…国会空転トップ会談で定数削減法案に“白旗”も「今時点で取り下げない」と強がるワケ