お笑い界にとどまらない「確かな一歩」を掴んだ千鳥・大悟の慧眼
大悟は、番組の演出を務める冨田大介から企画を説明され、「とんでもない企画やな。誰が考えたん?」(放送批評懇談会「GALAC」22年9月号)と制作スタッフにとっては、この上ない反応を示してくれたという。
パートナーであるヤギに「ステキな名前のつけ方するか。おまえと出会って最初に見つけたお花の名前をつけましょう」(「ヤギと大悟」21年12月28日)と「タンポポ」(途中から「ポポ」と略される)と名付けるロマンチストな一面を見せたり、ポポにみかんを食べさせる時に、さりげなく「農薬ついてない?」と確認する気遣いを見せたり。大悟ファンの年配の女性が「いつ死んでも悔いないわ」と漏らすと、即座に「そんなこと言うなや。もうちょっと生きよ」と返したりしていた。
保育園では「ヤギちゃーーん!」と子供たちに囲まれ、「今ワシの芸歴で一番いい映像が」と笑う。普段は“無頼の芸人”というイメージの強い大悟も、心根にある優しさがあふれていた。
さまざまな企画を千鳥流のトガったお笑い番組に染めていき、お笑い界で“天下”を取った大悟。そんな中で炎天下、ヤギとまったり散歩ロケをするという過酷かつ、お笑い色の薄い番組をあえて選んだのは、まさに慧眼だった。お笑い界にとどまらない、国民的タレントへの確かな第一歩となったのだ。



















