著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一〈23〉コント55号 実は4つもあったコンビ名の由来「俺は王貞治さんしか覚えてない」

公開日: 更新日:

「二郎さんから教えてもらった」

 作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「もうその時はコンビ名決めてたんですか?」

萩本「コンビ名ないですよ。だってコンビでやる気ないんだもん」

増田「まだなかった」

萩本「ないない。でも1本やったらウケたんで、二郎さんが『次は?』って言うからさ。ウケたんだから、またやりゃいいんじゃないのって、ずっと続けた。そうしたら劇場が『名無しの権兵衛じゃ形になんないからコンビ名を付けといたよ』ってついてたのがコント55号」

増田「それは劇場側が付けたんですね」

萩本「はい、そうです」

増田「王貞治さんの55号が出た頃に結成されたからという伝説がありますが」

※王貞治の55号ホームラン:1964年(昭和39年)、当時まだ24歳だった王貞治が記録更新したシーズン最多本塁打。55本という数字はその後長く「不滅の大記録」とされ40年近く破られなかった。1985年にランディ・バースが54本、2001年にタフィ・ローズが55本、2002年にアレックス・カブレラが55本を打つも抜くことはできず。2003年、ウラディミール・バレンティンが60本塁打を放ち、ついに記録を更新した。

萩本「そうそう、名前付けてくれって言ってもいないのにつけられたんで、2人ともムッとしてた。そしたら、劇場の人が『今はやっぱり横文字だよな。ジェームズ・ボンドの007とかあんだろ。だからあれに倣ったのよ。55号でいいだろ』って。そしたら二郎さんが『いいですね』って。俺は不本意な顔して『あ、そうね』って言ったの」

増田「そしたら決まっちゃった」

萩本「『いいだろう55号。英語で言うとゴーゴーゴーだ。行け、行け、行けって、これはまたいい名前だな』って作った人が言ってるわけよ。二郎さんは『それもいいですね』って言ってる。俺は、『あ、そうですか』って感じ。そんな俺の顔を見てその人が『王さんの新記録が出たろ。55号ホームラン。これに乗っかって55号ってのはどうだ?』って言った。俺、それは気に入った。感激して『いいですね。ありがとうございました』って。二郎さんはたくさん名前の由来を全部ね、覚えてました。俺、覚えたのひとつだけ」

増田「それが王貞治さん」

萩本「うん、王さん。だから俺にインタビューすると『王さんの55にあやかって』しか言わないけど、二郎さんは4つぐらい由来を言ってましたね」

増田「ゴーゴーゴーとか?」
 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り1,192文字/全文2,315文字)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    北島三郎(2)2018年に次男が急逝「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった」

  2. 2

    Snow Man佐久間大介が城西国際大学メディア学部映像芸術コースで培った“強力な武器”

  3. 3

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  4. 4

    矢沢永吉が秋ツアーで"また"歴史を変える!「長者番付1位」と驚きの成り上がり秘話

  5. 5

    松本若菜“シャイニング顔”で奮闘も…「君の好きは無敵」視聴率4.3%からの反撃を阻む“アラ還コンビ”

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    馬場典子アナの「人生の転機」は日テレ入社7年目“福澤一座”の旗揚げ公演の初舞台

  3. 8

    WEST.重岡大毅の授かり婚の事後報告に“騙された”とファン激怒 あの目黒蓮も…今も難しいアイドルの結婚事情

  4. 9

    大野智が5都市でファンミーティング開催の仰天! 離れてみてわかった? 芸能界の居心地の良さ

  5. 10

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    Snow Man佐久間大介が城西国際大学メディア学部映像芸術コースで培った“強力な武器”

  2. 2

    八村塁の「レイカーズ電撃復帰」に現実味 2兆円新オーナー誕生でドンチッチとのコンビ復活へ

  3. 3

    榊英雄が2審も懲役8年…昔と違って、一度の過ちも許されない時代に

  4. 4

    東京・日本橋、首都高のフタ取れ 川沿いを楽しく歩ける街に

  5. 5

    高市首相がキーパーソン片山財務相“切り捨て”画策…内閣改造・党役員人事「もう1つの焦点」に

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    福岡県議会の「政治とカネ」疑惑が拡大 永田町に“飛び火”で自民党議員が戦々恐々

  3. 8

    北島三郎(2)2018年に次男が急逝「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった」

  4. 9

    霞ケ浦“春高バレー指揮官”高橋監督「今から他競技でも県ベスト8は狙えます。部活動の指導は組織づくり」

  5. 10

    松本若菜“シャイニング顔”で奮闘も…「君の好きは無敵」視聴率4.3%からの反撃を阻む“アラ還コンビ”