全編が濡れ場 映画「火口のふたり」は大人の究極のエロス

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 喧騒を忘れて涼みながら見るなら、ふと我に返ることができる、こんな自然体のセックス物語がオススメ。全編セックス描写といってもいい映画「火口のふたり」(R18+)が23日に公開される。

 原作は直木賞作家、白石一文の同名小説。監督は荒井晴彦。登場人物は柄本佑(賢治)と瀧内公美(直子)だけ。

 2人はいとこ同士だが、若いころ、東京に出て付き合い、欲望のままセックスする日々を送った。その後、故郷の秋田に戻った直子が帰郷した賢治と再会する。直子は自衛隊員と結婚することになっていたが、出張から帰ってくるまでという約束で、かつての関係に戻ってしまう。

 こう書くと、ありふれたストーリーと思われがちだが、バックから迫る柄本のぎこちなさや、拒んでいたのに体が反応してしまい、あえぐ瀧内のセクシーさには甘酸っぱさやノスタルジックなエロチシズムに気持ちが揺さぶられそうだ。一方で、瀧内のボリュームほどほどのオッパイやチラッと見えるヘアにはグッとそそられる。

 スパイスになっているのは東日本大震災だが、それがどれだけ悲惨で非常事態であっても、生きていく上で避けることができないのがセックスであり、「体の言い分」と描く。そして婚約者が帰るという日、予期せぬ大騒動が迫る……。

 瀧内は「彼女の人生は間違いじゃない」(廣木隆一監督、2017年)で主演した女優。自然体で脱ぐことができる女優が少ない時代、大人のエロスを演じることができる存在は貴重だ!

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