著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

血液型は肺がんの予後に影響する 発症リスクとは無関係だが…

公開日: 更新日:

 国立がん研究センターの資料によれば、2018年の新規肺がん患者は、男性が約8.2万人(前立腺、胃、大腸に次いで4位)、女性は約4.1万人(乳房、大腸に次いで3位)です。20年の死亡は男性が約5.3万人でトップ、女性は約2.2万人で大腸がんに次いで2位です。また全世界で見るとがん新規患者のうち13%が肺がんで占められています。

 肺がんと血液型の関係については、1950年代からかなり詳しく調べられてきました。しかし膵臓(すいぞう)がんや胃がんで見られたような、はっきりした傾向は見つかっていません。つまり、組織血液型抗原は、肺がんの発症リスクとほとんど無関係ということです。ただし、患者の予後と関係しているらしい、という研究がいくつも発表されています。

 肺がんと言っても、大きくは「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に分かれており、性格はまったく異なります。血液型が関係しているのは、非小細胞肺がんのほうです。

 組織血液型抗原は、分泌型の人で、肺の粘膜細胞に発現しています。血液型がA型ならA抗原、B型ならB抗原、O型ならH抗原(O抗原)です。またAB型は、A抗原とB抗原の両方を持っています。それらは肺の粘液に溶け出してきます。 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解