著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

インドから東南アジアにB型が多いのはコレラが原因だった

公開日: 更新日:

 インドから東南アジアにかけては、B型の割合が高くなっています(30~35%)。これには天然痘の影響もあるでしょう。B型とO型は天然痘に有利だからです。しかしこのエリアはマラリア(O型有利/B型不利)も多いため、O型が最も多く生き残り、B型の比率はもっと低くなっているはずです。実はこれには「コレラ」が関わっていると考えられているのです。

 コレラはもともとガンジス川下流域(インドの西ベンガル地方、およびバングラデシュ)の風土病で、西はパキスタン、東はベトナム辺りまで流行を繰り返していました。それが18世紀以降、ヨーロッパ人によって世界中に広まったのです。幕末の日本でも、アメリカの軍艦が長崎に持ち込んだコレラが全国に拡大し、犠牲者が10万人とも20万人とも言われる惨禍をもたらしました。

 コレラ菌に汚染された水や食べ物を口にすると、胃を通過して小腸の壁に取りつき、増殖して毒素(コレラトキシン)を放出します。重症化すると、激しい下痢に襲われ、脱水症状を起こして死に至ります。

 新型コロナ以前は、海外からの帰国者が毎年数十人発症していました。とはいえ今日では治療法が確立しているため、亡くなることはめったにありません。

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