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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

塩崎恭久元厚労相もPRするゲノム医療 費用対効果は健診に軍配

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 東大医科研の李怡然助教らは全ゲノム解析の研究について20~60代のがん患者やその家族など1万人あまりを対象に意識調査を実施。「病気の治療が可能になるので有益だ」と答えた人は、「どちらかといえばそう思う」も合わせてがん患者で79%、家族で73%でしたが、「遺伝情報が適切に保護されるか疑わしい」は、がん患者で61%、家族で63%です。東大医科研の武藤香織教授らの調査では、3.3%が遺伝情報による差別的な扱いを受けたことがあるとの回答もありました。こうした調査からは不安や問題点が浮き彫りとなっています。やっぱり慎重さが大切です。医療財政とのバランスをとりながら、費用対効果も考える必要があると思います。

 がん治療で費用対効果というと、ゲノム医療の進展よりがん検診の受診率向上にともなう早期発見に努めることが、現状はベターでしょう。ステージ0の肺がん医療費は10割で約150万円、ステージ0の乳がんは約110万円です。それがステージ4では、それぞれ約650万円、約390万円にハネ上がるのです。どのがんでも、進行するほど医療費は高くなりますから、生存率と医療費の両面で早期発見が一番です。

 胃、大腸、肺、乳房、子宮頚部の5大がんの検査費用は、最も高い胃カメラで1万4000円ほどですが、自治体のがん検診なら自己負担ゼロも珍しくありません。一方、パネル検査は56万円で、多くは進行がんが対象です。費用対効果の差は歴然でしょう。

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