著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」名誉院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

梅毒上陸と天才軍師・黒田官兵衛 死の直前は奇行が目立った

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 梅毒は、1493年に新大陸への旅を終えたコロンブスらがスペインに持ち帰ったとされています。その一方で、石器時代から欧州には存在したとの説もあり、はっきりしません。ただ、1490年代までは欧州では目立った病気でなかったのは事実です。

 では、この厄介な性感染症はいつ、どのようにして日本に入ってきたのでしょうか? 有力視されているのは、ポルトガル人探検家のバスコ・ダ・ガマが喜望峰を通って初めてインドへの航路を「発見」した際にアジアに持ち込まれ、インドネシア、中国、琉球(沖縄)を経て、日本に到達したという説です。

 梅毒の日本への伝来は、種子島に鉄砲が伝わった1543年よりも30年以上も前だと言われています。中国の明に留学して医学を修めた名医・竹田昌慶の孫で、京都に住んでいた竹田秀慶という医師が書き残した「月海録」に梅毒の記述があります。これが梅毒が記録された日本最古の文献とされています。1512年のことです。それには、京都地方に「唐瘡」または「琉球瘡」と呼ばれる特有の病が流行してきたと書かれています。当時、日本と活発に交流していた明から中国人や琉球人の商人が持ち込み、博多や堺の商人を通じて日本全国に広まったのではないか、と考えられているのです。

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