糖尿病と自殺・事故リスク…70歳定年時代に備えて知っておきたいこと

公開日: 更新日:

 いまだに糖尿病を軽い病気だと考えている人がいるが、その考えは改めた方がいい。糖尿病は神経障害、視覚障害、腎障害などを合併しやすいだけでなく自殺とのかかわりが強いうつ病を発症しやすく、自殺・事故リスクをアップさせるからだ。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

「これまでの研究から糖尿病の3割にうつ症状があり、糖尿病患者の13%は不安障害、11%はうつ病と診断され、5.7%は抗うつ薬を服用しているとの報告があります。その原因はさまざまですが、もっぱら行動上の要因が大きいといわれています。例えば糖尿病では食事制限などの自己管理を長い間求められることがストレスになります。そうした人がうつ病を発症して体を動かさなくなると糖尿病が進行する悪循環に陥るのです」

 糖尿病の人がうつ病を合併すると死亡率が1.6倍、医療費が4.5倍に膨れ上がるとの報告もあるから恐ろしい。さらに自殺・事故リスクがアップするとの見方もある。

「『日本における糖尿病の既往歴と自殺・事故リスク:1990年~2012年日本保健センター前向き研究』という研究論文があります。1990年と1993年に全国11保健所管内に住む40~69歳の約14万人を2012年まで追跡調査した結果にもとづき、糖尿病と自殺および事故との関連を調べたものです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ