永久歯が抜けても“第3の歯”が生える…「歯生え薬」にかかる大きな期待 来年にも臨床試験計画

公開日: 更新日:

 失った「歯」が再び生えてくる──。近い将来、そんな治療が現実になるかもしれない。来年7月、世界初となる「歯生え薬」の臨床試験が計画されている。研究を主導する医学研究所北野病院歯科口腔外科主任部長の高橋克氏に詳しく聞いた。

「第3の歯」をご存じだろうか。われわれの歯は3歳くらいまでに生え揃う乳歯、その後、成長とともに生え変わる永久歯があり、永久歯が抜けてしまうともう二度と歯は生えてこないと思っている人がほとんどだろう。しかし、じつは永久歯の次には「第3生歯」があり、その“芽”にあたる第3歯堤が存在している。通常、第3生歯は特定のタンパク質の働きで生えてこない仕組みになっているが、薬の投与によってそれを生やす試みが行われている。

「第3生歯は、『USAG-1』と呼ばれるタンパク質の働きによって成長が抑えられていることが研究でわかりました。そこで、その働きを抑えるUSAG-1中和抗体薬を開発しフェレットに投与したところ、第3生歯が生えたのです。将来的には人間でも第3生歯が生えてくる可能性があるのではないかと考え、まず今回は先天性無歯症患者さんに対する臨床試験を開始する予定で準備を進めています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」