「立って」仕事をすれば健康で長生きできる(3)座っている時間が長いだけで認知症リスク上昇

公開日: 更新日:

 半年ほど前、「座りすぎ」に関する衝撃的な論文が発表された。「座りすぎ問題」を研究する岡浩一朗教授(早稲田大学スポーツ科学学術院)は、「私たちのすることがなくなってしまうぐらいのインパクト」と、こう続ける。

「座りすぎによって、認知症が発症するという研究データが発表されたのです。60歳以上の成人約5万人を6.72年間追跡したもので、開始時には認知症ではなかった人が、追跡期間に414件発症したというデータなんです。座っている時間を客観的かつ正確に計測していて、年齢、性別、教育歴、人種、喫煙や飲酒状況、食生活、どこに住んでいるかなど、さまざまな変数を調整した上で、座っている時間が長いだけで認知症を発生するリスクが1.5倍になることが明らかになりました」

 しかも、この研究の最大のポイントは「中高強度身体活動」も調整されていることにある。つまり、日常的に体を動かしていたり、健康のために運動していたとしても関係ない。「座りすぎ」というただ一点で、認知症が発症しやすくなってしまうのだ。恐ろしい結果に思えるが、逆に言うと、「座りすぎない」だけで認知症のリスクを下げられるということでもある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」