マッサージで血流が良くなるとがん細胞が活発化するは本当か?

公開日: 更新日:

 志茂院長自身も「がん患者がマッサージをしたことによって血流が良くなり、がん細胞が活発化してがんが悪化する」という話をかつて、耳にしたことがあるという。ただ、血流が良くなることでがんが悪化するなら、運動もお風呂もNGとなる。

■「ナンセンス」と話すがん専門医は多い

「しかし運動に関しては、乳がん患者にヨガや運動を行ってもらいその結果をまとめた論文があり、運動している人たちの方が再発率が低くなる傾向があるという報告が上がっています。運動することで当然血流は良くなっているはずですから、マッサージで血流が良くなってがんが活発化するというのは矛盾した話になる。これは乳がんだけではなく、ほかのがんでも同じことが言えるでしょう。実際、『マッサージでがん細胞が活発化するという説はナンセンス』と話すがん専門医は多いです」(志茂院長)

 臨床試験の世界では、「Aという行為をするとBという病気が良くなる」と証明ができたとしても、「AをしなかったからBが悪化した」と証明されたとは言ってはいけない。「AをしなくてBが悪化した」ということを、別の臨床試験で主要評価項目として調べなくては証明したとは言えないのだ。マッサージは「行っても絶対に大丈夫」ではなく、「多分大丈夫」という言い方になるのは、そのルールがあるからだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性