女じゃなくなっちゃうと号泣…フラメンコダンサーの鍜地陽子さん乳がんでの両胸全摘を振り返る

公開日: 更新日:

鍜地陽子さん(フラメンコダンサー/51歳)=乳がん

 2021年に両胸に乳がんが見つかって、全摘手術を受けました。さらに抗がん剤、放射線、ホルモン療法という標準治療のフルコースで、今もホルモンの薬を飲み続けています。

 がんは5年が一区切りとよくいわれますけど、私がかかったホルモン陽性タイプの乳がんは5年過ぎてからの再発・転移もありえるので、10年の経過観察が予定されています。

 わかったきっかけは、区の乳がん検診です。2年に1回、受け続けてきて、40歳を越えたあたりから「石灰化がある」と指摘され始めました。石灰化は誰でも年齢などによって起こるものなので、「あるけど大丈夫」と言われたり、石灰化を指摘されない年もありました。でも乳がんのごく初期のステージ0は、この石灰化が増えるところから始まるのです。

 再検査となったのは48歳のときでした。右胸の石灰化で引っかかり、大きな病院で診察を受けると意外にも左胸にしこりがあることが判明しました。

 別の日に組織を採って調べた結果、「悪いものでした」とのことで、「左胸はステージ1の乳がん」と告げられました。全摘手術になると言われ、「女じゃなくなっちゃう」と思って号泣しました。

 手術日が決まってから念のため、石灰化が気になる右胸の生検もしてもらうと、「ステージ0の乳がん」が発覚。その頃にはすっかり開き直って、「この際、カッコいい胸を作ってもらおう」と前向きな気持ちでした。

 左胸の腫瘍は1センチ。術中の検査でセンチネルリンパ節への転移が2ミリと言われていました。2ミリ以上は他のリンパ節への転移の可能性が高いので乳房とともにリンパ節も切除しなければならないのですが、私の場合はギリギリのサイズだったのでリンパ節郭清は免れました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった