短い昼寝は脳にいい…「つながりのある記憶力」を高める
その結果、30分間の昼寝をした被験者は、それよりも短いまたは長い昼寝をした参加者よりも詳細に説明することができたといいます。また、被験者全体に注意力の向上が見られ、効果は1~4時間持続することも判明しました。このように、昼寝は脳に良い効果をもたらすことが示唆されているのです。
もちろん、健康面においても昼寝は有効なリフレッシュ法でもあります。アテネ大学医学部のナスカらの成人を対象にした調査(2007年)では、30分間の昼寝を週に3回以上とっている人は、心臓病死のリスクが約37%低下することが明らかになっています。昼寝と聞くと、日本人は良いイメージをもたない人が多いかもしれませんが、スペインでは「シエスタ」といって習慣になっているほどです。
ただし、長すぎる昼寝は禁物です。広州医科大学のパンらによる研究(2020年)では、昼寝と心血管疾患および全死亡リスクとの関連を検討した20件の研究論文を総合的に解析。それによると、昼寝が25分を超えると、心血管疾患の発症リスクが急激に増加し、昼寝をする人はしない人に比べてあらゆる原因での死亡リスクが19%高くなることが明らかになったといいます。