マラソンは心臓に悪い? 市民ランナー152人を10年間追跡
運動が健康に良い影響を与えることは、言うまでもなく科学的事実です。ただ、体に強い負荷をかけるハードな運動を長期間続けることは、健康に悪影響を与える可能性もあります。
心臓病の患者さんにリハビリが有効なように、運動は心臓の健康のためにも良いとされる一方で、ハードな運動が心臓に負担をかけ、心臓の働きを低下させるという、気になる報告もあります。
たとえばマラソンをすると、血液のトロポニンTという数値が上昇します。この検査値は心臓の筋肉が壊れていると上昇し、心筋梗塞などの指標とされています。
つまり、マラソンをすると心臓の筋肉に一定のダメージが起こるのです。これは通常一時的な変化ですが、継続してマラソンをしていると、そのダメージが蓄積されて、心臓の働きが低下することはないのでしょうか?
昨年の心臓疾患の専門誌に、マラソンを趣味としている市民ランナーを対象とした臨床研究の結果が報告されています。マラソン愛好の市民ランナー152人を10年間観察したところ、マラソンを走った直後にはトロポニンTの上昇が認められましたが、3日後には正常になっていました。そして10年後の検査では、心臓の収縮力はわずかに低下していました。
マラソンをすることで心臓には一定の影響がありますが、おおむね一時的なもので、長期的に強い影響を受けることはないようです。




















