【アユのコンフィ】待つこと6時間 手間は塩を振るだけ
関山米穀店(神田)
関山さんが出してくれた時は驚いた。とても素人にはできない料理に見えたからだ。作り方を聞いて、もう一度驚いた。すごく簡単だからだ。
新鮮なアユを買ってきたら塩の中にべったり漬ける。30分間放置。水で洗って水気を切ったら、ニンニクや香草を入れたオリーブオイルの鍋に放り込むだけ。
「80度で6時間くらいですかね。IHヒーターがあれば、かけっぱなしで楽ですよ」
6時間は長いが、何もしないのだから、飲んでいればいい。暇な土日の午後に仕込んでもいい。できたら冷まして冷蔵庫へ。これでかなり保存できる。なにしろ、塩漬け、オイル漬けになっているからだ。食べたい時に取り出してオーブントースターで加熱する。表面をカリッとさせる。それでオシマイ。さて、味は――おそらく、全員がうなるだろう。素人の域を超えている。
「ちょっと手間暇かかりますが、キュウリのソースが合います。塩揉みキュウリを20分放置して、搾った後、中華スープ(あさりのダシがあればベスト)、ビネガー、オイル、エシャロットを混ぜてミキサーに。アユが手に入らなかったら、ヤマメやイワシでもいいだろうけど、やっぱり、季節のものですよね」
作れば、尊敬されること間違いなし!
【レシピ】
アユ1匹
オリーブオイル2.5カップ
ニンニク1片
ローリエ2枚
タイム2本
(1)アユはぬめりを洗い、ペーパーでよく拭き、塩をたっぷりつけて30分間放置
(2)水洗いして、香辛料を入れた油に入れて、80度で6時間加熱。90度で5時間でもいい
今日の達人 関山真平さん
▽せきやま・しんぺい
いまや、予約が取れない名店として有名な関山米穀店のオーナーシェフ。米屋みたいな名前だが、ワインを飲ませる名店だ。店は10人くらいでいっぱいになる。カウンターの中はオープンキッチン。そこで1人で腕を振るう。鮮やかな手つきと手際の良さは見ているだけで楽しくなる。
▼関山米穀店
祖父から続いた米屋を関山さんがレストランに。東京都千代田区神田小川町3―9 ℡03・5244・5446