日本に500館近くある美術館は「稼げ!」の時代に突入
ウィキペディアによると、現在、全国には公立美術館は263館くらいある。ちなみに私立美術館を合わせると約490館になる。
多くの美術館は、1980~90年代に建てられたが、2000年以降になると、ハコモノ行政の批判を浴び、新設は激減する。
ハコモノ行政とは、公共事業にお金を回すための隠れみのとして美術館を建設しているのではないかという批判で、その要素が多分にあったため、手控えられていった。
例えば大阪市は膨大な作品を購入しておきながら、美術館建設は頓挫したまま、20年以上は経っている。実際、全国的に美術館にかける予算は削りに削られ、半数以上が購入予算がゼロとなっている。
さらに公立美術館は東京国立博物館(東博)など一部を除けば、閑古鳥が鳴いているし、存続自体が無駄遣いじゃないかという批判も出ている。国立系の東博など4館は独立行政法人となり、補助はするが、自分たちで採算が取れるように努力しなさいという形になった。
それに追い打ちをかけるのが今回の政府の「リーディング・ミュージアム」構想であり、「稼ぐ美術館」になれというメッセージである。では美術館の絵を売ってしまったらどんなことが考えられるか、次回はそれを想像してみたい。