死者数激増の原因は高齢者対策の失敗と行政サービスの後退
ストックホルムの北にあるベルイスハムラという町で、衝撃的な「死者数事件」が起きている。ベルイスハムラは豊かな自然に囲まれ、ストックホルム大学の学生寮が立ち並ぶ。その閑静な町の一角、小高い丘に「ベルガ」と呼ばれる老人施設がある。この施設で、コロナ禍死者数が爆発的な数字を記録。従業員が訴訟を起こしたのだ。
「入居者91人中35人がコロナ感染で死亡したのです。あまりの死亡率の高さに、ケアが悪いのではと疑われて従業員が反発。経営サイドの防疫体制がひどく、マスクや防護服など使い回しを強いられるほどで、従業員のほうがむしろ被害者だと、経営者を訴えたのです」(関係者)
スウェーデンは死亡者が多く(3529人・14日現在)、コロナ対策の失敗と指摘する声も強い。3月末には国立医科大学・カロリンスカ研究所のドクターらが「緩すぎる対策」を批判し、「PCR検査をするべきだ」と提案するなど、政府の施策に異議を唱え、2300人の署名を集めて「公開質問状」を突き付けたほどだ。
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