もう一度見直したいコロナ常識9カ条 手指温風乾燥機は安全

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 新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」が襲来中で、これまで以上に慎重に行動したいが、専門家は間違って実践している感染予防法が蔓延していると指摘する。「うっかりやりがちな 新型コロナ感染対策の間違い15」(ヴァンメディカル)の著者で浜松医療センター感染症内科部長の矢野邦夫氏に聞いた。

  ◇  ◇  ◇

その1 公共トイレの「温風乾燥機」は実は安全

 手指温風乾燥機は「エアロゾル」感染のリスクがあると現在も使用禁止になっている。だが、「ハンカチ使用」の方がリスクが高い。

「みなさん、感染予防のために頻回に手洗いしていますが、病院の“常識”ではハンカチで拭いた手洗いは、手洗いにカウントされません。せっかく清潔にした手指をハンカチで汚染させるからです。ハンカチを清潔に使えるのはせいぜい1枚につき1回。ハンカチの保存場所はバッグの中という不潔なところですし、濡れた手は病原体を吸いつけますから、手指温風乾燥機で乾かすのが適切です」

 WHO(世界保健機関)も「手指温風乾燥機、もしくはペーパータオル」を推奨している。

その2 スーパーのレジのビニールカーテンはかえって危険

 スーパーやコンビニエンスストアのレジに、さも当たり前のように設置されているビニール製のカーテン。感染者の咳やくしゃみで飛び出した飛沫を防御すると信じられてきたからだ。

「ビニールカーテンは従業員を守る意味では効果がありますが、客側は商品の受け取り時にビニールカーテンに触れてしまう可能性があります。前の客がウイルスを持っていれば媒介し、感染してしまう可能性があるのです。とくにビニールの表面はウイルスの残存期間が長く、最大3日ほどウイルスが生存できると推定されます。ビニール手袋も同じで、手袋をしている間は手指消毒ができません。そのため汚染した手袋で商品に触れれば、表面にウイルスが付着します。むしろ、頻回に手指消毒した素手の方が安全です」

その3 よかれと思ってやった除菌ミストは有害無益だった

 先月8日に国立代々木競技場で開催された体操の国際大会。「安全」を世界にアピールするため会場入り口で除菌液を噴霧していた。

「除菌液の霧は有害無益であり、絶対に中止すべきです。感染対策のプロから見れば最悪な対策といえます。アルコールは十分な量が使用されなければ殺菌効果が期待できません。むしろ、目や口に入ると健康被害があります。体や靴裏にアルコールをスプレーする人もいますが、そもそも吹き付ける程度のアルコール量では効果はないと思われます」

 厚労省はおろか、WHOもCDC(米国疾病対策センター)も除菌ミストを推奨していない。

その4 家族が感染しても洗濯や食器は一緒に洗っていい

 一部メディアで、「患者が使用したシーツなどのリネン類のクリーニングを拒否する業者が相次いでいる」と報じられている。医療機関にとって深刻な負担増だ。

「感染者の寝具類、タオル、衣類は家族のものと一緒に洗っても問題ありません。大量の水で洗い流されるからです。洗濯中、洗濯機の水は飛び散りませんし、衣類に1つ、2つのウイルスが残ったとしても、感染は起こりません。感染を成立させるためには相当数のウイルスが必要なのです。同様に食器類も食洗機を使えば問題ありません」

その5 小学校で窓全開で暖房をつけることは意味がない

 小学校では今、感染予防策として暖房をガンガンにつけ、窓を開けっぱなしにして授業をしている。

「みなさん、空気感染についてあまりに気を使いすぎています。そのような時間的余裕があるならば、飛沫予防と手指消毒に全力を注ぐべきです。窓を開けて暖房をつけるのはエネルギーの損失でしかない。海外のレストランで10人が感染した事例の検証では、エアコンからの強い気流によって飛沫がテーブルからテーブルへと流れたことが原因と報告されています。実際、同じレストランにいたスタッフや離れた席の客は感染しておらず、室内の拭き取り検体にはウイルスが付着していませんでした」

 エアコンによってウイルスが撹拌される可能性は低い。むしろ、暖気に耐える廊下側、寒風に凍える窓際の児童の風邪を心配した方がいい。

「もちろん、狭い部屋に多数の人が入り込み、体臭を感じるほどであれば換気してください」

その6 店に置いてあるアルコール消毒液は使わない方がいい

「濃度が不明なものは使用しない方がいいです。時々、環境消毒用(哺乳瓶やリモコンなどの消毒に使う)アルコールを店先に置いてあることがあります。メーカーも明記されておらず、アルコール濃度も相当低いはず。手指消毒薬としてエタノールの殺菌効果を期待するなら濃度が重要で、CDCは60~95%のエタノールが最も効果的であり、これ以上の濃度でも効き目が低下するとしています」

 バッグに持ち運び用アルコールを入れておきたい。

「ちなみに、アルコール消毒をした後におしぼりを使っていいのか迷うことがあるでしょう。アルコールは即効性があるので、おしぼりの水分で濃度が薄まることは心配しなくてもよく、おしぼりを使用しても消毒効果は失われません」

その7 一般人には高性能のN95マスクは不必要

「自分が“感染源”にならないためには、不織布でも布マスクでも気にする必要はありません。もし仮に“感染から身を守る”ためならサージカルマスクやN95マスクがよいのですが、これらは空気中に浮いている病原体がマスクと顔の隙間から侵入しないよう密着するように作られています。医療現場ではきちんと顔に密着しているか確認して使っているほどで、正しい使い方ができないのならハンカチの加工マスクでも効果は同じです」

その8 「Go To イート」の4人以下ルールには意味がある

 菅首相が提唱する「4人以下」での会食。これは大勢の方が感染リスクが高まるからという理由ではない。

「人数制限は、クラスター予防を目的としています。2人であっても感染するときはしますが、少ない方が医療機関は助かります。その意味でのルールです」

その9 バーベキューやオープンテラスは屋内と同じ

「屋外であっても、感染者から1メートル以内でマスクを着用せずに大声で会話をすれば感染します。感染者の風下にいて、マスクを両者ともしていないと、むしろリスクは高まるかもしれません」

  ◇ 

 夏場に仕入れたコロナの常識は、もはや非常識かもしれない。

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