コロナ禍で貧富格差が拡大…今後は「隠れ失業者」問題も
コロナが企業や国民の貧富の格差、偏重傾向を拡大させてきている。日経平均株価は30年半ぶりの3万円台を回復した。菅義偉首相は2月17日の衆院予算委員会で、野党議員から現在の株価について尋ねられ、「株高で恩恵を受けているのは幅広い国民の皆さんではないか」、さらには「この株高によってGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用益が出ている。これは国民の皆さんの財産になる」と答えているのだ。
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首相は、株高がこのまま続くと考えているのだろうか。
専門家の中には、すでに株価はピーク、実体経済と乖離した株価に今後の暴落を予期する声も出始めている。GPIFの運用益について、2020年1~3月期の運用が、コロナの感染拡大に伴う世界的な株安から、四半期ベースで過去最悪の17兆7072億円の損失額を計上したことを忘れているのか。ましてや株価の恩恵で、将来の年金支給額が増えると考える国民がいるとでも思っているのだろうか。