元DJの異色住職が始めた「テクノ法要」の知られざる世界
今年のゴールデンウイークに8日間にわたって開催された「ニコニコネット超会議2021」。その中でもひときわ異彩を放ち、およそ4万人が視聴したのが「テクノ法要」というコンテンツだ。
テクノ法要は2016年に始まった新たな法要のスタイル。仏像にプロジェクションマッピングを施し、テクノ音楽をバックにテクノボイスにアレンジされた読経を行う、まさに新時代の法要と言える。生みの親は、元DJという異色の経歴を持つ福井県照恩寺住職の朝倉行宣さんだ。
「テクノ法要を始めたきっかけは、参拝者の高齢化に対して、従来の方法でお寺や仏教に興味を持っていただくことは難しいと感じたところからです。ここ数年、全国のお寺でさまざまな試みがなされていますが、その中で自分なりにできること、したいことを考えた結果、生まれたのがテクノ法要です」(朝倉さん)
ひとくちに仏教と言っても、経典や宗派ごとにさまざまな思想が展開され、どこまで追求してもしきれないほど奥が深いコンテンツである。
だからこそ、朝倉さんはこれまでのやり方に執着しない自由な活動が、仏教の考え方を表現するものとして必要だと考えているのだという。