焦る菅政権…大規模接種で全国に“ワクチン詣で”拡大の矛盾

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 菅政権の“迷走”が止まらない。自衛隊が東京・大阪で運営する新型コロナワクチンの大規模接種センターを巡り、今度は対象地域の全国拡大を打ち出した。これまで首都圏の1都3県、関西圏の2府1県に限定してきたが、この枠を取っ払う。接種対象である65歳以上の高齢者を東阪に集める狙いだ。

 加藤官房長官は10日の会見で、全国拡大について「多くの方にワクチンを打っていただくという観点のみならず、自治体の負担を軽減する観点からも重要」などと、もっともらしい理屈を並べていたが、拡大の理由は単に予約が全然埋まらないからだ。

 防衛省によると、東京の「予約空き枠」は10日午前10時時点で、接種期間が今月14~20日は70.8%、21~27日は91.1%。11万人以上の空きがある状態だ。

 菅首相がブチ上げた「11月接種完了」に間に合わせる魂胆も透けるが、東京も大阪も今は緊急事態宣言下。国民に「県境を越える移動を避ける」「人流抑制」を訴える一方、全国からの“ワクチン詣で”を呼び掛けるのだから矛盾している。昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。

「せっかく感染状況が落ち着いてきているのだから、人流をさらに抑えないといけない。全国から高齢者を集めること自体、むちゃな話ですし、地元のかかりつけ医に打ってもらった方が安心です。接種に焦る気持ちが落ち着けば、予約が埋まらないことは予想できたはず。職域接種に人員を割くなど、方針転換すべきです」

インド株が全国拡大の恐れ

 加藤官房長官は全国からの往来について「感染対策をしっかりやっていくのは当然」と説明したが、人流が増えれば感染リスクが高まるのは必至。感染力が英国株の1.6倍といわれるインド株が、逆に全国に広がる恐れがある。

 成人の77%が1回はワクチン接種を終えた英国でさえ、インド株による感染が拡大している。1日の新規陽性者は一時2000人を下回ったものの、9日には7500人を突破。入院患者は1週間で10%増加した。ワクチン接種で後れを取る日本はなおさら、対岸の火事では済まない。

「今月中に東京か大阪で1回目を打っても、また4週間後に会場に行かなければなりません。2回目の接種は東京五輪の大会期間とかぶるでしょうから、人流増による混乱は避けられないでしょう」(二木芳人氏)

 政権の場当たり対応にはもう、ウンザリだ。

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