“見殺しデータ”開示 自宅・宿泊療養「孤独死」122人の恐怖

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 自宅や宿泊療養施設で適切な治療を受けられず、亡くなる新型コロナ患者が全国で相次いでいる。京都府では、宿泊施設で療養していた60代男性の血中酸素濃度を、看護師が読み誤り、入所から6日後の先月26日、死亡した。

 男性は同19日に陽性が判明。基礎疾患はあったものの、入院医療コントロールセンターが「軽症」と判断し、同20日に宿泊施設に入所した。その時点で男性は38度4分の熱があった。亡くなる前日の同25日、男性は自身で血中酸素濃度を計測し、スマホで数値を撮影して看護師に送信していた。ところが、看護師が一緒に写っていた脈拍数の「92」「95」「98」を血中酸素濃度と思い込み、誤って記載。実際の血中酸素濃度は「52%」「72%」「76%」だった。血中酸素濃度は93%以下になると、酸素投与が必要とされている。同施設には午後に巡回を行う医師が3人、夜間常駐の医師が1人いた。

 府健康対策課の担当者がこう言う。

「前日夜まで安否確認ができましたが、亡くなった当日、看護師が朝から7回、電話をかけたのですが、出なかった。看護師らは新たに宿泊施設に入所したり、転院する患者の対応に追われ、部屋を訪れる時間がなかった。午後1時すぎにようやく部屋を訪ねたら、男性はすでに心肺停止の状態だったそうです」

「軽症」がわずか数日で急変

 京都のケースは氷山の一角だ。都内在住の男性が警察庁に提供を要請し、開示されたデータによると、「警察が扱った陽性死体のうち、PCR等検査の時期が生前で、自宅又は宿泊施設で発見されたもの」(1月から5月21日まで)は全国で122人に上る(別表)。特に変異株が猛威を振るった4月は大阪府で16人、兵庫県で11人が亡くなっている。京都のように医療従事者が常駐する宿泊施設で死亡が確認されたケースも計3件あった。

 神戸市の宿泊施設で亡くなった患者(性別、年齢非公表)も基礎疾患があったが、軽症だったため、3月17日に入所。同施設には、看護師と保健師が24時間常駐していた。3日後の20日夜、熱が39度台まで上がったため、解熱剤を投与。血中酸素濃度は96%で肺に雑音もなく、本人が「ちょっと休みたい」と口にしたため、様子を見ることにしたという。

 市健康局政策課の担当者がこう説明する。

「定時連絡は朝10時でしたが、気になった看護師が翌朝7時45分に電話をしたところ、電話に出なかったため、10分後、部屋を訪れました。患者はすでに心肺停止状態で、その場で死亡が確認されました。ちょうど変異株が増えていたころで、その患者も病院には入院できませんでした」

 すべての国民は公平かつ平等に医療を受けられなければいけないのに、全国各地で医療崩壊。無残な“コロナ見殺し”が後を絶たない。 

(取材協力・@freeze209021)

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