【お題】新任上司の下では仕事がやりにくくて…
ひたむきな業務遂行はだれのためか
昨秋の人事異動で上司が代わった。新しい上司は部下の適性を把握できないのか、ことごとく適性に合わない仕事を割り振る。ゆえに、全体のクオリティーもスピードも下がっている。
困ったことに、その上司自身、余裕がなく見え、状況の悪さに気づけていない。内勤のデスクワークで対外的な仕事ではないから、外に迷惑がかからないのがせめてもの救いだ。しかし、ただただ仕事がやりにくくなっている。
役員などにこのことを伝えるべきか。サラリーマンとしてガマンするのみか。
◇ ◇ ◇
旅行会社5年目の初夏。当時の部署では課長のひどさに、課員8人ともへきえきしていた。
一番下っ端が抱え持つ愚痴を、聞こうとしたらしい。係長からコーヒーに誘われた。
ここを先途と、課長への不満を挙げた。
黙って聞き取ってくれた係長は、新たなコーヒーを注文してから口を開かれた。
「無能な上司は、おのれの無能には鈍感で、際限なく自己に寛容だ」