(11)留学生の転校を認めない日本語学校の実態…許可なしには外出さえできず
ベトナム人留学生のホアン君(21)は2020年12月、福岡市内の日本語学校に入学するため来日した。4月に入学するはずだったが、新型コロナの影響で入国が遅れたのだ。
待ちに待った日本の地。しかし、彼は当初から学校に不満を抱いた。
「いちいち届けを出さないと寮から外出もさせてもらえない。学校を休むと掃除の罰が待っている。しかも周囲の留学生たちは出稼ぎ目的で来日しているから、バイトばかりして勉強もしないんです」
ホアン君は入学した日本語学校のことやベトナム出身者を中心に急増している偽装留学生の実態について、何も知らずに来日していたのである。
■当たり前の権利すら与えられない留学生
彼は他校への転校を希望したが、それには在籍する学校の許可が必要だった。日本語学校の留学生は自由に学校を変えられない。そして彼の学校は、転校を認めてくれなかったのだという。
私たちが海外に語学留学するケースを考えてほしい。入学した学校と相性が悪ければ、別の受け入れ先となる学校さえ見つかれば転校は認められて当然だ。