小銭を貯めても手数料で“赤字”に…キャッシュレス化で「貯金箱」が消える?
「貯金箱がまったく売れなくなりましたね」と、都心で雑貨店を営む40代店長が、こう続ける。
「コロナ禍で小銭を嫌がる人とか、キャッシュレス決済が増えたせいもあるでしょう。まあ、私も10年以上続けていた“小銭貯金”をやめちゃいましたしね」
きっかけは、ゆうちょ銀行の“手数料”だ。今年1月17日から、ATMでの硬貨を伴う預け入れに、たった1枚からでも110円以上かかるようになった。
自宅から一番近いスーパーが現金オンリーの店なので、お釣りをせっせと貯めては預け入れていたが、1~25枚が110円、26~50枚が220円……窓口でも50枚までは無料だが、51~100枚で550円ナリ。
「手数料で“赤字”になることもあるので、バカバカしくて……。私と似たような人が多いから貯金箱も売れないんでしょうか」と前出の店長。
製造枚数が年々減少している硬貨に対する関心は薄れ、昨年11月から発行され始めた新500円硬貨の特徴を説明できる人が果たして、いるのかどうか。改札でピッ、コンビニでピッに慣れてしまっている。