“岸田インフレ”深刻でも賃上げ無策…「最低賃金1000円目標」まるで安倍政権時代のコピペ

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 岸田インフレが深刻だ。物価がみるみる上昇しても賃金が上がらないからだ。ところが、先週閣議決定された「骨太の方針2022」での賃上げ政策は、驚くほどお寒い内容だった。

■海外は物価引き上げラッシュ

 労働者全体の賃金を底上げする指標とも言えるのが「最低賃金」の引き上げだ。物価高騰を受け、海外では春から夏にかけて、最低賃金(時給)が次々引き上げられている。

 英国は4月から9.5ポンド(約1560円)に、フランスは5月から10.85ユーロ(約1530円)にアップ済み。ドイツは7月に10.45ユーロ(約1470円)、10月に12ユーロ(約1690円)まで引き上げられる。ロサンゼルスは7月から16.04ドル(約2140円)だ。アルゼンチン、マレーシア、ケニア、ロシアなどの最低賃金も増額されている。

 一方、日本の最低賃金(昨年10月~)は930円(全国加重平均)。欧米との差に愕然としてしまうが、岸田首相は意に介さないようだ。今回の骨太の方針では〈できる限り早期に全国加重平均が1000円以上となることを目指し、引き上げに取り組む〉とショボい目標しか示さなかった。

 実は「最低賃金1000円以上」の目標は安倍政権下の2016年の骨太の方針で初めて明記されたものだ。〈年率3%程度をめど〉と引き上げペースも記載がある。当時の最低賃金798円から年間3%ずつアップしていけば、23年には1000円以上になる計算だが、現実はめどを下回る金額にとどまっている。

2016年の方針をそのまま……

「最低賃金を含め賃上げが進まないのはアベノミクスの失敗です。安倍元首相の責任は大きい。ただ、岸田首相の姿勢もマズい。ウクライナ情勢もあり、強烈なインフレという異常事態なのに、最低賃金について岸田政権はコピペしたような方針しか示していない。賃上げに取り組む気はないと宣言しているようなものです」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)

 16年に打ち出した1000円以上がそのままなのもおかしい。16年当時の為替は1ドル=105円程度だ。現在は134円まで円安が進んでいる。ドルに換算すれば、1000円は9.5ドルから7.4ドルへと下落しているのだ。

「賃上げが難しい中小企業も少なくありません。岸田政権は思い切った財政出動により、中小企業支援を行い、すみやかに最低賃金1000円を実現すべきです。その上で、海外水準や、円安も踏まえれば、1500円以上の目標を立てるべきです。このままでは、物価の高騰下、賃金が上がらない状況が長期化することになります」(森岡英樹氏)

 最低賃金額の改定は7月に発表され、10月から実施される。どれくらい上がるのか。

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