厚労省は「保育園で処分」推奨…いまだ使用済みおむつを持ち帰らせる自治体の呆れた言い分
厚生労働省が23日、使用済みのおむつ処分を保育所などで対応するように、全国の自治体に通知した。加藤勝信厚生労働大臣も、同日の記者会見で、保育園での処分を推奨する方針を表明した。
この発言に歓喜したのが、いまだに保育園で、おむつの持ち帰りを強いられている自治体の親たち。「ようやく、国が動き出してくれた!」「そもそも、おむつを持って帰る理由がわからない」、「便で健康状態を確認する親なんて今どきいる?! わざわざ、持ってかえってきた便を確認する親なんていないでしょ」と、今まで、疑問に思っていた親たちの不満が大爆発している。
■狙いは保護者と保育士の負担軽減
厚労省が、自治体に通知した「保育所等における使用済みおむつの処分について」によると、「使用済みおむつの持ち帰りがなくなることは保護者にとっては大きな負担軽減になるとともに、保育士や保育教諭にとっても使用済みおむつをこども毎に振り分ける業務がなくなることで、負担軽減にもつながることから、保育所等において使用済みおむつの処分を行うことを推奨することとする」とある。
そして、続いて「調査の結果、保護者の負担軽減等を理由に、多くの自治体がここ数年の間に使用済みおむつの処分を保育所で行うよう方針を示しており、多くの保育所で実際に使用済みおむつの処分を保育所で行っていることが判明した。その際の処分費用等の取扱いについては、園の運営費の中で負担する場合や、自治体等の補助を活用する場合のほか、保護者からの実費徴収等により行われている(なお、事前に保護者に対して実費徴収の使途や理由等について丁寧な説明をしたうえで保護者の同意を得ることで、実費徴収とすることは差し支えない)」と記載されている。
■大量の荷物とおむつを持ち帰る多子家庭の親たち
すでに多くの自治体で、保育施設におけるおむつの処分が進められているが、いまだにおむつの持ち帰りを保護者に負担させている自治体もある。
筆者が暮らす和歌山県和歌山市もしかり。いまだに、おむつの持ち帰りが保護者負担になっており、苦労している。特に筆者の場合、乳幼児の子どもが3人いたので、3人分の荷物とおむつ、そして、週末には3人分の布団を抱えて帰宅していた。
それまでおむつを保育施設でおむつを処分してくれる自治体から引っ越してきたものだから、おむつの持ち帰りには驚いた記憶がある。
引っ越してきた当初、市におむつの持ち帰りについて聞いたことがあるが、「財源の問題」というばかりで、保育園のおむつ処理に関し、具体策が示されることはなかった。あれから3年…和歌山市では、いまだに、おむつの持ち帰りが行われている。