京都「保津川下り」で転覆事故…命を守るために乗客が確認しておきたい業者選びの注意点
京都府亀岡市の保津川で「川下り」の船が転覆した事故は、船頭2人が死亡した。船には乗客25人と船頭4人が乗っていたが、急流で船の後ろにある「かじ」を持っていた船頭が投げ出された。その後、船が岩に激突し、転覆したという。
保津川では2015年にも川下りで死亡事故が起こっており、11年には静岡県天竜川の川下りで、乗客ら5人が亡くなる事故も発生している。
今回の事故後、保津川遊船企業組合は会見で、組合が事故を把握して通報するまで約20分かかったと報告。また救助訓練を最後に行ったのは約8年前で、転覆した舟は無線機を搭載していなかったことも明かしている。
「川下り」は観光客に人気のアクティビティだけに業者の実態を知って今後乗船を予定していた人は気がかりだろう。
安心して楽しむためには利用者側も、万が一に備えて、自分の命を守る手段を知っておくべきかもしれない。レジャー時の事故も取材する旅行ジャーナリストの渡辺輝乃氏に聞いた。
「いわゆる川下りの中でも、緩やかな流れの『舟下り』は比較的安全です。川というより運河巡りのようなものになります。一方、スリルのある『激流下り』については、いざとなったら自力で岸に流れ着くくらいの覚悟が現段階では必要です。法整備すらされてないのが、現状だからです。今回のように緊急通報用の無線の電波が状況が悪いまま放置されていても、川下りの場合は処罰されません」