妻の「専業主夫になれ」にウンザリ。罵倒にメンタル崩壊寸前の47歳夫、家事は手抜きのくせに…とため息
47歳、苦しい家計にため息
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「ひどい話ですよね。人のせいにするのも、いい加減にしてほしい。そもそもですね、妻は合意のうえで専業主婦になったんです。
俺が強引に仕事を辞めさせたわけではありません。それなのに、まるで15年前に俺に無理矢理退職させられて、キャリアを潰されたって言い方は、不愉快で仕方ありません。
15年前と今では物価だけでなく景気も社会情勢も大きく変わりました。自分の給料がこんなに下がることも、物価が急激に上がることも想像していませんでした。
妻に言わせれば、俺が何も考えずにノホホンとしてきたから、家計が苦しくなっているんだと…」
ヒデアキさんは、ため息をつきながら、家計が苦しいのは、決して自分だけのせいではないと話します。
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夫婦関係もメンタルも崩壊寸前
「そんなわけで、夫婦関係は日に日に悪くなっています。今では家にいても会話がほとんどありません。
妻からは『あなただけがキャリアを積んで、ズルい。あなたのキャリアは私の犠牲があってこそのものだから、責任を取れ』とまで、言われています。
これまで俺の給料で普通に生活を送ってきたくせに、そういう発想になるのか…。謎すぎます」
ヒデアキさんは紀江さんから心無い言葉をたくさん浴びせられており、すでにメンタルは崩壊寸前まで追い詰められています。
一方的な妻の言い分にうんざり
「妻からは『あなたより私のほうが優秀なんだから、あなたが専業主夫になればよかった』だの『給料が下がったくせに、バイトもできないダメ男』だの、散々な言われようです。
会社の業績が下がっているので、むしろ前より今のほうが忙しいんですよ。仕事が終わればもうクタクタ。
そのあとにバイトなんて考えられません。土日だって仕事が入ることもあります。もう体力も気力も限界なんです。
でも妻は俺に対して『あなたは、家族に申し訳ないっていう気持ちが足りない』って。何言ってるんでしょうね。ほんと」
あまりの言い分に、ヒデアキさんが反論しても喧嘩になるだけ。ヒデアキさんは妻が自分の心情を理解するとは思えないと自嘲します。
自業自得なのでは?
ヒデアキさんの両親も、そんな紀江さんに強い疑問を持っていたのだとか。
「母親は、妻を“悪いことは全て誰かのせい。いいことは自分だけで独り占めする女”なんて言ってます。辛辣だけど、まあ合ってますよね。
今さら、妻に誰が何を言ったところで、ギャーギャーわめくだけ。もう諦めています。
『こんなはずじゃなかった!』なんて怒り狂ってますけど、生活が安定していたときに、グータラと生活を送っていたのは、妻自身ですよ。
子育てに手がかからなくなってからも、ずっと遊び呆けていましたし。家事だって手抜きばかりでした。
全て甘ったれた性格が直らないまま40代になっちゃった妻に問題があると思いますけどねえ…」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)