保津川下り転覆事故で改めて分かった水の事故の怖さ…GW前に頭を悩ます人気観光地の対応
京都の観光名物「保津川下り」で28日午前11時ごろ、櫓櫂船が岩に衝突して転覆し、乗客乗員29人が川に投げ出され、船頭2人が死亡。乗客9人が病院に搬送された。約400メートル流された乗客もいて、3人が低体温症だった。
保津川下りは亀岡市から京都市嵐山まで、約16キロの渓流を約2時間近くかけて下る。年間約25万人が訪れ、今月12日にシーズンが始まったところだった。
転覆の原因は船頭の操船ミス。後方で舵を切っていた船頭が空舵でバランスを崩して落水。航行不能になった船は前方の岩に激突し、ひっくり返った。4人の船頭と船員はいずれもベテランの船乗りで、川の水量も通常の範囲内だったという。保津川遊船企業組合担当者がこう言う。
「運航に関するガイドラインは、企業組合が独自に設けています。櫓櫂船には動力がないので操船に免許はいりません。事故後は予約のキャンセルが相次いでいます」
外国人も多い国内随一の人気観光地で起きた水難事故に各地の観光船事業者も対応に追われた。埼玉県長瀞町で「長瀞ラインくだり」を運営する秩父鉄道観光事業課の担当者はこう言う。