世界陸上マラソンで露呈した実業団エリートの限界…男女とも日本人トップは“押しかけ入部”の平凡ランナー
14日に行われた世界陸上女子マラソンで、小林香菜(24=大塚製薬)が2時間28分50秒のタイムで7位入賞を果たした。日本人の入賞は2019年ドーハ大会の谷本観月以来だ。7位入賞は大騒ぎするほどの成績ではないが、2大会連続出場の佐藤早也伽(31=積水化学)は13位。17年ロンドン大会代表で東京五輪では1万メートル代表の安藤友香(31=しまむら)は28位に沈んだ。
この2人は高校や大学時代は駅伝の全国大会に出場し、著名な実業団チームにも所属しているエリートだが、小林は早大本庄高時代は故障もあって目立った成績は残せず、早大では陸上部に入らず「ホノルルマラソン完走会」と登山サークルに所属するマラソン愛好者だった。
「そのマラソン好きは大学3年時に実業団入りを決意し、10社以上にアタックしたものの、陸上部にも入っていない素人を採ってくれるチームはなく、元陸連の長距離・マラソンコーチで大塚製薬の河野匡監督に頼んで拾ってもらった。それが今年1月の大阪国際女子で日本人トップの2位で代表切符を手にしたから、河野監督は『大万馬券が当たったみたいだ』と大喜びした」(陸連OB)